私たちが育てた子犬や子猫をお迎えになるあなたにお話しておきたいことがあります。
お迎えになる新しい小さな家族たちは、私たち人間とは少しだけ違うどうぶつだということです。
人と暮らすことはできても、習慣や食べる物は同じではありません。そして生きられる時間も。
人に比べるとわずか1/5という短い寿命を長く幸せなものにするために
あなたには知るべきことややるべきことがあるのです。
でもどうぶつたちはそのことを言葉では教えてくれません。
だからもしあなたが愛情を持って彼らとともに暮らすことを決めたなら
私たちはその生涯を幸せなものにするために考え、行動し、支えていきたいものです。
けして一人で悩まないでください。抱え込まないでください。
あなたの心配や不安を話してもらえることで、私たちはもっと多くのことを知ることができます。
もっと多くのことをしてあげられるようになります。
そのためにもあなたに新しい家族を迎えていただきたいのです。
数多くの犬や猫たちと過ごして見つけたものや教えられたことを
あなたと家族の生活のために役立つのなら、こんなに幸せなことはありません。
あなたと共にあたたかな愛情と優しい想いで、新しい小さな家族を包んであげてください。
それが私たちスタッフ全員の願いです。

生後42日までの腸内細菌の育成
牛や馬が牧草だけを食べて筋骨隆々な体つきをしていることを疑問に感じたことはありませんか?
牛は草を栄養に身体を作るというよりは、草を栄養に育つ腸内細菌をタンパク源として身体を作り上げているのです。
腸内環境の良し悪しが病気のリスクと関連性があることはすべての動物に共通しています。どんな動物も食事で得た栄養で身体を作っているのです。
適切な栄養をバランス良く含んだ食事をし、それをしっかりと吸収できることが健康維持には大切です。
そのためには何を与えるかよりも何をどれだけ利用できるかにこだわった食事と健康な胃腸を作ることが必要ですが、どちらも簡単なことではありません。
動物の中で食事をする際に料理をするのは人間だけですが、ペットの犬や猫のほとんどは人が調理した保存食であるドッグフードやキャットフードを食べています。
これらは安全な食事ではありますが、加熱による栄養損失や有用な菌を摂取する機会も奪っています。
犬をはじめとする哺乳動物は体内で育つ間は腸内細菌を持っていません。母体から栄養を直接摂取できるので必要がないからです。
出産時に産道や膣の菌に触れ口や鼻から腸内細菌を身体に取り込みます。
つまり母親の腸内環境がほとんどそのまま受け継がれていきますから、そうしたデメリットを解消できていない食事をしている母親から生まれた子犬や子猫は健康を維持するのは難しいかもしれません。
いくら良いフードを与えても栄養を吸収するための腸が健康でなければ宝の持ち腐れです。
では腸内環境をよくするにはどうしたら良いか?
この点は人と犬猫では少し話が変わってきます。
人も犬猫も食べたものを胃で消化することは同じですし、空腹時の胃酸の濃度(pH)もほとんど差がありません。
しかし食事中に胃酸のpHが4倍近く上昇する人に対し、犬は約0.5倍しか上昇しません。
動物は食卓で皿に盛られた食事をするわけではありません。
犬や猫のような捕食動物は、獲物に傷を負わせ地面に倒れたところを襲い食べてしまいます。
人からすれば拾い食いと同じです。
動物にとって食事は細菌感染のリスクでもありますからこうした工夫で健康維持を行うのでしょう。
ですから人のようにヨーグルトを食べるなどのプロバイオティクスはそれほど効果がありません。
菌を摂取したところで強力な胃酸で殺菌されてしまいます。
となればもう母乳を飲んでいる胃酸が未発達な時期に有用な菌を摂取するしかありません。
摂取した栄養をしっかりと吸収できる腸を持った子犬や子猫なら、より健康な身体へと成長しますし、病気のリスクも減ることになります。
チロルでは犬にとって効果的な数種類の乳酸菌やビフィズス菌などをブレンドし理想的な腸内細菌叢の育成のためのケアをしています。
健康な身体を作るための栄養管理
「動物にとっての理想の食事」という物を考えれば、犬の食事は随分とかけ離れたものになります。
草食動物でも肉食動物でも、人間以外は料理をしません。生きているものを生きたまま新鮮なまま食べてします。そのことが理想であり、そのために身体を進化させてきました。
しかし犬は違います。ペットして人間と暮らすことを選び、食物連鎖から抜け出し、人の手によって多様性を手に入れました。
犬は人間が作り出した唯一の動物かもしれません。
しかしそのことが犬を苦しめる結果にもなりました。犬のための理想の食事は大きく変わってしまったのです。
犬種ごとのかけ離れた個性は同じ栄養管理で維持できなくなりましたし、犬の食事には人間が加工した保存食が与えられるようになりました。そうした変化は、犬の健康にも影響を与えました。
犬と人の歴史は数万年ですが、犬とドッグフードの歴史は100年にも満たないのです。
だからこそ、多くのメーカーた長い年月をかけ理想の栄養バランスを追求しているのです。
定期的な食事を与えられ、ケガや病気になれば治療を受けられる環境は、犬の寿命を伸ばすことになりましたが、ドッグフードの選び方、与え方が適切でなければ、犬の健康は簡単に失われてしまいます。
動物病院では、治療の一環としてその病気に合わせたフードを勧めることがありますが、それは犬の体調を食事で変えることができるという証明です。
ペットショップチロルでは、犬のための食事で悩む多くの方に、最良の食事の提案をしています。
犬種ごとの違いや、飼育環境に運動環境、犬自身の健康状態を見極めて季節ごとの栄養管理をスタッフと獣医師で実現します。
犬の健康を損なってから治療するよりも、予防を考えた飼育をしましょう。そのためには、何よりも食事が大切です。
5年後10年後の健康は、今与えている食事によって大きく変わります。正しい栄養管理とは、そうした食事がどのように身体に影響を及ぼしたかを確認し、修正しながら改善を繰り返して行く作業です。
犬にとって最良な食事とは、結果でのみ判断されるものです。
私たちには、これまでの経験と知識であなたの愛犬の幸せな生活のためにできることがあります。
沢山の人が教えてくれた事で、あなたの家族の支えになりたいと、私たちは思います。
提携動物病院での予防措置や治療
店舗にいる子犬や子猫は、提携した動物病院で獣医師と相談しながら予防措置を行っています。
種類の違いや発育状況によってはワクチンの種類や接種時期を変えることも必要です。
ここで育った子犬や子猫を、あなたのかけがえのない大切な家族としてお迎えいただくために、その場の診断だけでなく発育の様子を確認・共有しながら、その子に合わせた適切なケアで健康維持を心がけています。
当店でフィラリア・ノミダニ予防にワクチン接種などをお任せしている動物病院であれば、譲渡前の情報もお持ちですので安心してお任せいただけると思います。
お迎え後もあなたの家族が幸せな時間を長く過ごせるように、日々の飼育のサポートをさせてください。